Dr.MANAの南仏通信〜フランスのエスプリをご一緒に…〜
お知らせ プロフィール パリ・お散歩・パトロール エッセイ リンク
プロダクト はだぢから開発室・分室 旅猫一代女 ナニコレ写真館
パリ・お散歩・パトロール バックナンバー

フランス人と血液型♪散歩(2008.7.1)



『血液型性格診断』といえば、ブームになって擁護派が結託され、今度はアンチ派がでて沈静化され、また忘れた頃にじわじわと復活してくる……といった、どうもメディアに翻弄されやすい運命をもったテーマです。現在『○型自分の説明書』なるものが、書籍でベストセラーになっているようですね。
私自身は血液型診断を信じなくなって久しいのですが、飲み会の席などで話題になるときは、別段話の腰を折ることもないので黙って聞いています。なぜなら、その会話のはしはしが話し手の性格をアナライズできるヒントになるからです。特に気になる殿方がいる時など〜 Ψ(゜。゜)Ψ
では、ここで質問です。

皆さまは勝手気ままで個人主義の権化とされる?フランス人に一番多い血液型は何型かご存知ですか?

それは“俗に”几帳面で周囲との協調を重んじるといわれる、A型なのです。しかも日本人よりパーセンテージの多い45%。O型は43%、B型は9%、AB型は3%……。
現在、酸性食品とアルカリ性食品、マイナスイオン、波動関係(水の結晶の相違)などとともに、疑似科学(ニセ科学)と定義づけられている血液型性格分析ではありますが、これ以上わかりやすい(!?)凡例はないですね。
ちなみに血液型を決定する形質は血液脳関門(blood-brain barrier、脳内に入る物質を選別する機構)を通らないので、脳内には血液型は存在しないといえます。
ヨーロッパ(白人)は全般にA型優勢、南米やアメリカ先住民族はO型断然優勢で、アジアはばらつきますが、インドやイランなどはB型優勢……。実は血液型には優生差別思想に利用されたという暗い過去もあるのでした。


さて、今までのABO式というのは赤血球の血液型のお話。
あまり認識されていないかもしれませんが、白血球にも血液型があるのです。HLA(ヒト主要組織適合抗原)といい、臓器移植の時などに重要なファクターで、大きくわけて6種類、それらはさらに何十種類も細かく分類され、ABO式よりはるかにバリエーションに富んでおります。
実はこのHLA、なんとヒトの体臭に関係があるのです。匂いだけで好みの相手を選ぼうなどという無謀で興味深い実験をいたしますと、自分のHLAパターンとは一番遠いタイプを選択する傾向があるのだそう。HLAは免疫機能に関係していて、違うパターンと交配することで、次世代(子供)は感染に強い身体ができあがります。サバンナの平原で、まだ闇夜を恐れながら動物的な勘のみで命をつないでいた時代の遠い祖先の記憶、いえ、明確な本能といえます。
パートナー選びは、自分が認識するしないに関係なく、子孫存続、DNA継承の意図に左右されるものなのでしょう。
となると、HLA型フェロモン恋愛相性診断を確立する方がはるかに科学的.......?

体臭を消すどころか積極的に増長させるフランス人は、パルファムを上手にブレンドすることで、固有の獣の匂いを策略的に発散させているのかもしれません。(⌒.−)=★