Dr.MANAの南仏通信〜フランスのエスプリをご一緒に…〜
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みんなでキレイに!新しい美容書『永遠美貌』(2018.11.19)

「なにをやっているか、よくわからない」と、よくからかわれる私ですが、本人としては“正しい美容知識の周知と浸透”のための活動に集約できると思っています。その新しい美容情報の本を出させていただきました。『永遠美貌(エターナルマドンナ)――女医が実践するいつまでたってもキレイの事典』という真偽不明のタイトルではありますが、おもに成熟した大人の女性を想定して書いたものです。しかも表紙が2パターン!


新しいだけでなく美容医療の実際を網羅的に情報提供しています。専門領域は別として、一般向きのそうした書籍がなかったことに不満だった私にとっては、念願がかなった思いがしています。

若い子がきれいなのは当たり前です。だって彼女たちは番茶も出花、春の花園を謳歌して走りまわっています。日本の四季では山笑ふ春です。春が過ぎれば山は滴(したた)る夏。ぐっと女っ気が増す年回りながら、現実は結婚出産育児、仕事においても正念場の胸突き坂で、汗噴き出して奮闘のアップアップです。
R45世代とリンクする秋はどうでしょう。秋は冬の前の坂道を下るような季節と考えてはいませんか? いいえ、秋は収穫――豊饒な人生の収穫の季節なのです。精神的かつ物質的な豊かさ、それだけでなくもっとも女性が安定した充足の時期であり、だからこそ美しい季節(とき)となるのです。日本では秋は山粧(よそお)ふ。濃いも薄いも、紅も黄も、さまざまの色が、彩りにあふれて綾羅錦繍、北から南に国土を染め上げていきます。
菜の花畑や桜並木のように、春が満目一色の艶やかさだとすると、秋は色を尽くした刺繍の濃やかさのように、それぞれの落ち着いた個性が妍を競う繚乱の美しさであるように思います。

成熟した大人の女性が、なぜ若い子よりも美しいのかですって? 若さは花咲いて他者に愛でられる美であるのに対し、大人は美しさを自らの美意識よって判断できるからです。美意識は経験知で培われます。美しさに憧れて、私たちが割いてきた多くの費用と時間は、涙なしには語れません。いまこそ収穫のとき、熟練レベル美意識で判断したキレイさは、付け焼刃のそれとは深みが違います。

ところで、国民的アニメ『サザエさん』の磯野フネさんは何歳だったと思いますか。設定では52歳だそうです。夏のビーチに見る若い人の脚の長さも長くなりました。まったく時代が変わったのですね。今のアラフィフはサザエさん(24歳)よりも美しくなって、まさに幸年期生涯が現実化した感じです。

メノポーズ(古いコトバで更年期)対策医学の進歩や再生医療、そして美容医療業界の技術的飛躍は目覚ましいものがあります。もっともっと情報をオープンにし、みんなが美しくなればいいのだと思いました。オープンにすれば品質は向上し安全性は確実になって、一方で需要者の鑑識眼も高まります。それを担保する開かれたマーケットが形成されれば、価格もリーゾナブルに安定します。情報の共有はセンシュアルの概念を保証します。

本ではスキンケアの丁寧な説明を心掛けました。さらにノンサージェリー施術については、丁寧に詳述しました。特に付録の手技別皮膚浸透図は本邦初です。『永遠美貌』がいわば”家庭の医学美容版”として世の中に受け入れられるようになったら、私もあなたも皆様も本当にキレイになって、ウキウキする世の中になるだろうな、と夢見ているこのごろです。 よろしくお願いします!